【家庭問題】体罰の影響

日々流れてくるニュースを見ていると、心から悲しくなります。

 

我が子は、父親からの暴力を受けました。

私に見えないところで暴力を続け、子供には口止めをしていました。

少しずつ怪しいなと気付いてはいたのですが、普段は穏やかな人で子供達にとっても良い父親な面もあったので、カウンセリングや療育など関係改善の努力をしていました。

 

しかし一歩間違えれば命に関わるような大怪我を負ったことをきっかけに、強制的に別居に踏み切りました。

未だ係争中ですが、父親は私との関係悪化で躾が少し強くなったことが原因だから自分は悪くないと主張しています。

 

別居してから半年ほどは、子供の様子はあまり変わりませんでした。

その間に父親が精神科に入退院し、関係を求める執拗な電話をかけてきたりなど問題は続きましたが、それまでに比べたら比較的落ち着いて過ごしていました。

 

しかし半年を過ぎたころから、夜中に急に泣き出したり、何気ない時に急にパニックを起こして暴れたりするようになりました。

手当たり次第に物を投げたり、「やめてー!ぶたないでー!!」などと叫ぶ子供を、時に後ろから羽交い締めにしたり、時にお風呂場(投げるものがなく安全な場所)に連れて行ったり、壮絶な期間が一年ほど続きました。

 

そして、その間に、少しずつ少しずつ、自分がされたことを話し始めました。

父親はもう戻ってこない、大丈夫、という安心感からでしょうか。

 

「殴られてできた怪我(たんこぶやあざ)は、転んでしまったと言いなさいと言われた」

「引っ掻き傷は、痒くて自分で掻いたと言いなさいと言われた」

「お母さんがおうちにいないときや隣の部屋にいるときは怖い顔して殴ってくるのに、お母さんがいるとやらなかった」

 

もう数年経ちましたが、未だに夜中、他の子供達が寝た後に私のところに一人でくることがあります。

思い出したかのように当時のことをポツリポツリと話し、落ち着くとまた眠りに戻ります。

 

父親にとってはもう終わったことかもしれませんが、子供の葛藤は続いています。

なぜ自分は殴られなければいけなかったのか。

なぜ謝ってもらえなかったのか。

 

元々の特性も影響している部分は否定できませんが、子供はコミュニケーションと人との関係性構築に難を抱えており、今も精神科と自治体のカウンセリングを受け続けています。

父親との関係が築けなかったこと、理不尽な暴力を受け続けたことが、他者への不信感と頑なさに繋がっている可能性は否定できないと言われています。

 

最近の野田市のニュースを見ると、「お母さんが逃げてくれなかったら、私もこうだったかもしれないね」と言います。

 

躾という名の体罰、暴力を受けた子供が、どれほど心に傷を負うか。

体罰を受けて自分は成長したと思う人もいるかもしれません。

けれどその一方で、過去の体罰に苦しみ続ける子供・大人がいるのも事実です。

 

どこまでが許容される体罰で、どこからが暴力なのか。

線引きが明確にできない以上、少なからず被害者の声がある以上、体罰は原則禁止にすべきと強く思います。